VOICE 院長

大西脳神経外科病院 院長にお尋ね致しました。 インタビューアイコン

先生が医師を目指すことになったのはなぜでしょうか?

先生元々は医師を目指していたわけではなく、飛行機を飛ばしてみたいという夢がありました。そのためには大学は工学科に進んで、飛行機の設計をやってみたいと思っていました。ですが、よくよく調べてみると実は日本では飛行機を未だ作っていないことを知りその夢は断念しました。その後、周囲からの勧めもあり医師を目指すようになりました。

            

その中でも、脳外科を専攻された理由などありましたら教えてください。

先生とりわけ脳や脳神経、精神に興味があり、医学部に入学したころから方向性を決めていました。どちらかと言えば、基礎研究よりも実際に現場で患者さんの治療にあたる臨床医を目指しました。脳の構造は大変複雑で、手術が必要な患者さんが来られても、いざ手術となると多くの場合、脳の神経をさわることにもなり大変な精密さと緻密さが求められます。しかし、私は寧ろそういったところに惹かれていきました。もともと、割と手先も器用なほうだと思ってます。(笑)

脳神経外科医として、今の治療の現場で必要なものはどんなものでしょうか?

先生日本人の3大死因の一つである脳卒中も適切な診断と血栓回収術などの超急性期治療により、社会復帰も夢ではなくなってきました。しかし、現在のコロナ禍において、患者さんの中には感染を恐れて受診を躊躇したり、自己判断で病院に来るのを辞めてしまう人もいるようです。現在、医療機関では感染防止に、万全の体制で治療に当たっています。患者さんには、安心して受診して欲しいと思っています。

先生のモットー又は「座右の銘」等大切にされている言葉があれば、教えて頂けますか?

先生「二兎追う者は一兎をも得ず」ですね。何事も中途半端が嫌で、やるなら一つのことをとことんやらないといけないというコンセプトでやってきました。
もう一つは、とにかく「2回続けて失敗しないこと」ですね。誰しも1回目の失敗は許されても同じ過ちは繰り返さないようにするため、自ら振り返り学んでいくことが大切ですね。(ゴルフとかテニスとかやってると同じ失敗何回もすんねんけどね(笑))

先生が治験を始められたきっかけを教えてください

先生最初は病院の方針ということもあり、治験に参加することになりました。ある医師主導の治験に参加した時、初めは全国レベルの研究に参加したことによって、多くの医師や研究者たちと一緒に実施していることを実感した経験も大きなきっかけになりました。

治験についてどのような印象をお持ちでしょうか?

先生薬の開発は大変だという僕の印象です。実際に市販されて市場に出回るまでのどのステップ一つとっても、非常に厳格なものが求められるので、我々医師は勿論、スタッフもそういうスタンスが必要になります。治験は、看護師をはじめ多くのスタッフを巻き込んで、一緒にやっていかないといけませんよね。周りのスタッフは日々の業務で忙しい中、よくやってくれていると思います。時には「えーこんなこともやらなきゃいけないの?」という気持ちもあると思います。しかし、そういう厳格なことをきちっとやっていかなければ、良い薬を患者さんに届けることが出来ないんだということを皆が学ぶことが出来ます。また、そのような経験を通して施設全体のレベルアップにも繋がると思います。それなりの厳しいルールを遵守しないとだめですしね。

現在、治験を実施されていますが、治験に対する印象に変化はございますか?

先生いくつか治験を実施してみて、今のところ問題なくできているのでは無いかという感じでしょうか。厳格なルールのもとに実施されている治験ですが、CRCのサポートをはじめ治験のための必要な体制が整ってきたため、割とスムーズにできている印象ですね。

治験を実施するにあたって、最も気にされている点はどんなことでしょうか?

先生(治験を)受けたからには、ちゃんとエントリーしたいなということでしょうね。
また、ダブルブラインドの試験では(参加いただいた)患者さんに不利益にならないか気になりますね。
勿論、全員に実薬で効果があれば言うことないですけど、中には効果がさほど無い場合や治験薬の投与によっては有害事象などが起きてしまうこともあります。そんな時は患者さんの安全を最優先に考えた措置が実施できるよう細心の注意を払っています。稀に自分たちが信じてやってきた治療とは違う治療を行って効果と安全性を検討することもありますが、そういう場合の葛藤もあります。治験に参加する患者さんやご家族のかたたちはそれをわかった上で、参加してくれているわけですが、そんな時医師の立場としては患者さんのために常に最善を尽くすのみです。

今後の治験に期待されていることは、どのような点でしょうか。また、脳・神経の領域の中でも具体的にどのような薬の開発(治験)にご興味をお持ちでしょうか? 可能な範囲で教えて頂けますか?

先生やっぱり再生(医療)でしょう。神経組織の再生ですね。再生医療も今はだいぶ進んできてはいますが、今のところ脊髄損傷にしろいかに回復させれるか、リハビリテーションでは限界があると思います。神経組織が再生したら損傷したところを元の状態に戻せるので、まずは神経再生ができる薬を開発できるようになればすごいと思います。脳卒中にしても外傷にしても損傷された組織が再生したらいいですよね。今はそれが夢ですね。

弊社と一緒に治験を実施されてみてどのようなご感想をお持ちでしょうか?また、CRCのサポートについてのご意見などあれば是非お聞かせください。

先生(治験を)受けたからには、ちゃんとエントリーしたいなということでしょうね。
治験を進めやすくするため、非常に頑張ってもらっていると思いますよ。サポートについては十分にしてもらっていると思います。かなりの急性期脳卒中の治験じゃないですか。そうすると時間的な余裕がないので、CRCも夜とか休みの日でも来て対応いただいているのでありがたいと思っています。

本日は長時間にわたり、貴重なご意見を頂戴しまして誠にありがとうございました。